2018年4月13日金曜日

ブルーノ・ムナーリの本「木を描こう」が大人にも参考になる

Bruno Funari  "Let's Draw Tree"

子供の造形教育にも熱心だったムナーリは子供向けの教材をたくさん書いたが、日本語訳も出ている。「ムナーリ展」を見たのをきっかけに、その一冊「木をかこう」を買った。


木の形は千差万別だが、よく見ると全部に共通した一つの法則がある。1本の幹から2本の枝が分かれて、それぞれの枝からまた2本ずつの枝が分かれて、を繰り返している。ということは、木のどの部分も木全体と相似形になっている「フラクタル図形」だ。そして枝は先端に行くほど細くなり、根元でも先端でも枝の太さの合計は等しくなる。

この法則は 500 年前にレオナルド・ダ・ヴィンチが発見したと書いてあったので、調べたら確かに同じ図があった。この法則は木だけでなく、貝殻、雲、木の葉、川の流れ、動物の血管、など自然界にたくさんあると言われている。

「木をかこう」のいちばん最後でムナーリはこう書いている。『完全なものは美しいが馬鹿げている。完全なものものを作り上げたら、あとはそれを壊してしまいなさい。木の描き方を教えましたが、この通り描けというのではありません。法則を飲み込んでもらえばあとはみなさん好きなように木を描いて下さい。』 日本でも型を守ることから始め、やがて破っていく「守破離」があるが似ている。「木をかこう」は普通に「お絵かき」の本ではなく大人にも参考になる。

1 件のコメント:

  1. 言葉の量化と数の言葉の量化2020年10月5日 3:40

    本書の≪…葉っぱの葉脈も、枝と同じように骨組みされ…≫は、[入れ子構造]だ。

    [数の言葉(自然数)]を[点・線・面]の『HHNI眺望』で観る自然数の絵本は、[もろはのつるぎ」(有田川町ウエブライブラリー)で・・・

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