2018年4月15日日曜日

ルノワールを部屋に飾る効用(?)

Renoir in the Movie "Terms of Endearment"

床の間に掛け軸を飾るというのは、もともと客人をもてなすという意味があったそうで、床の間の側を上座(かみざ)といってお客さんを座らせるのもその表れだという。外国映画に出てくる部屋にも必ずといっていいくらい絵が飾ってあるが、こちらもひとに見せることが目的のようだ。だから男女間で相手を誘う時の決まり文句に「家へ絵を見に来ない?」というのがあるそうだ。「愛と追憶の日々」('83 アカデミー賞受賞作)という映画で、このとおりのセリフが出てくる。

女性(シャーリー・マクレーン)は本物のルノワールの絵を持っているのが自慢なのだが、隣家の独身男に「家へルノワールを見に来ない?」と誘う。すると「どこに飾ってあるの?」「寝室よ」「そうか寝室ね」と想定通りの展開になる。ちなみにこのチャーミングな女性が3人の孫がいるおばあちゃんという設定が面白い。この ”ルノワール” 、人に見せるにしても掛け軸とはずいぶんニュアンスが違う。

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