2025年12月8日月曜日

一点透視の ”崩し方”

 Convergence of one-point perspective

「How to Use Creative Perspective」という本は、題名からもわかるように、上級者向けの遠近法の解説書で、遠近法の基本を教えるというよりも、その応用のしかたについて書いている実践的な本だ。

前回、ゴッホの「アルルの寝室」の遠近法について書いたが、それにピッタリ該当することがこの本にのっている。下図のような、室内を一点透視で描いた絵で、ゴッホと同じように遠近法を”崩す”描き方について書いている。


上の図は、一点透視のルールどうりで、正面の壁が垂直水平の長方形になっている。消失点は正面の壁の中央あたりにある。

中の図は、見る人の視点をやや右にずらしている。そのため正面の壁が台形になっている。だから壁の上と下のラインは左側に向かって収束(convergence)していて、画面の左のはるか外にもう一つの消失点が生じている。だから一点透視でなくなっている。一点透視のルールからはずれているが、しかしそのことによって絵に動きが生じ、ルールどうりで静的な上図に比べて、絵として面白くなる。まさにゴッホがやったことだ。

下の図は、左方向への収束を強くしすぎた悪い例で、あちこちのスケール感が狂ってしまっている。例えば右側の家具が女性よりも大きくなってしまっている。それは一番上の図と比べるとよくわかる。

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