2023年11月7日火曜日

ドーミエ カリカチュアの元祖

 Daumier

19 世紀フランスのドーミエは「カリカチュア」の元祖といわれる画家で、革命や内乱などで混乱する当時のフランスで、権力者を批判する「毒」のある風刺画を描いた。

フランス革命後に再び王政復古して国王になったルイ・フィリップを皮肉っている。玉座に座ったまるまると太った国王が、なおも人夫が担いでくる食べ物を食べまくっている。右下では国王の食べ物のための税金を、役人が民衆から徴収している。左下では国王の尻から出る排泄物(勲章や地位)の恩恵にあずかろうと国会義員や官僚たちが群がっている。


革命後、貴族に変わって国会議員になったのは、資本家や金持ちだった。彼らは民衆のことなど考えていない。知的でない欲のかたまりのような人間として描いている。


権力批判ばかり描いていたドーミエ は、政府の言論弾圧で禁固刑を食らってしまう。するとそれに抗議する絵を描いた。「プレス」と書かれた女性は、新聞の記事を書いている記者で、自由の象徴として光輝いている。それを棍棒で殴ろうとしているのは政治家で、言論を抑圧する政府を痛烈に批判している。




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