2021年3月18日木曜日

モチーフを壁につるした静物画

Trompe-l'oeil

日本初の西洋的な写実的静物画といえば高橋由一の「鮭」だが、由一はヨーロッパ人画家の指導を受けたので、その影響を受けた。このようにモチーフを壁につるすのは、ヨーロッパの伝統的な手法のひとつで、鳥などを壁にぶら下げて本物そっくりに描く絵がたくさんある。


この手法の始まりは 1 7 世紀のオランダの「だまし絵」で、本棚や状差しをモチーフにして、極端に写実的に描くのが流行った。こういう絵を壁に飾ると、本物が壁の上にあるように見える。普通にテーブルの上にモチーフを置いて描くと、遠近法的奥行きが出てしまい、だませないのでこうなるわけだ。



現代の日本でも、伊牟田経正という日展の画家は、その手法を使っている。


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