2021年1月23日土曜日

活人画

Tableau vivant 

「活人画」とはあまりなじみのない言葉だが、人間が名画の通りの衣装を着て、絵と同じポーズをとって絵を再現するものだが、宮廷のパーティで客をもてなす娯楽として行われた。フランス語の「タブロー・ヴィヴァント」は「生きた絵画」という意味。

ゴダールの「パッション」は、映画を制作しているところを映画にするという珍しい映画だが、制作しているのは、活人画を撮る映画で、おなじみの名画の活人画が登場する。レンブラントの「夜警」では、原画通りにこだわる監督が、中央の女の子の照明が明るすぎると言って何度もダメ出しする。絵は画家のイメージで描いたものだから、その通りに再現するのは至難のワザだろう。原画と、映画の活人画のシーン。


美術史の本のように名画が次々に登場する。ゴヤの「裸のマハ」の原画と活人画。活人画で演じているのは本物の人間だから、これ以上の「リアル」はないはずだが、絵の方がずっと「リアル」だ。比較してみると絵画の力がよくわかる。


映画を撮っているところを撮る映画だから、こんな場面も。ゴヤの「18 0 8 年 5 月3日」を撮っている後ろを、同じくゴヤの「パラソル」の女性が横切るのが画面に入っている。


アングルの「水浴の女」の原画と活人画。映画では、
部分のクローズアップだけで、原画と同じフルフレームで映すことはない。


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