有名な「かくれた次元」(エドワード・T・ホール)で、人が誰かと会うとき、相手との間にとる距離について、4つの距離に分類している。密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離、で、新型コロナのおかげで流行語になった「ソーシャル・ディスタンス」は、このうちの「社会距離」に当たる。
以上はこの間の投稿で書いたことだが、この本ではさらに興味深い話がいろいろ出てくるので、追加したい。それは人との距離感が国や文化によって異なることで、事例をたくさんあげている。
今コロナ対策で、行列に並ぶ時に、「ソーシャル・ディスタンス」をとるよう呼びかけているが、アメリカ人はバス停などで並ぶとき、もともとこのように間隔を空ける習慣があるそうで、これは、体を触れ合うことを避ける習性のある鳥と同じだと指摘している。
一方フランス人は、人との接触をあまり気にしない。この街頭演説を聴く人たちは密集している。カフェなどでも隣とくっつきそうな距離で座っている。これは体を接触しながら休息するセイウチの習性に似ているという。
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