古典的名作「メトロポリス」は、1927 年( 90 年前)の映画なのにテーマも表現もいまだに古くなっていない。ボケボケだった画質を鮮明な映像にしたデジタル復元版を見つけたので改めて観てみたが、見えなかったたくさんのディテールを見ることができた。
未来の機械文明社会を描いた史上初の SF 映画で、人工知能やロボットも出てきて今の時代を予言している。労働者が機械の部品として使われているディストピア社会というテーマもいまだに SF 映画に影響を与えている。当時の絵画や建築は「ドイツ表現主義」の時代なので、この映画も典型的な表現主義で、セットのデザインや映像表現にその特徴が表れている。 映画はこちら→ https://www.youtube.com/watch?v=gFrla6Z9iS8
有名なシーン。煙を吐くドラゴンのような地下工場と、そこにへばりつく労働者たち。
この未来都市のイメージは今も SF 映画によく引用される。
演劇のシーンのセットが当時の表現主義の劇場建築のイメージそのまま。
虐げられた労働者たちは救世主を求め、そして裏切られる。ヒトラーが政権をとる6年前のこの映画は予言的だ。やがてフリッツ・ラング監督は弾圧されてアメリカへ亡命する。
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