The car designed by Le Corbusier
国立西洋美術館が世界文化遺産に登録された。それでコルビュジェがデザインした自動車について1年くらい前に書いたことを思い出したので再度アップする。
コルビュジェは1925年に「パリ・ヴォアザン計画」というパリの都市改造計画を提案する。古い街を壊して高層ビルを建て、広い道路を作りパリを自動車の街にするという構想だった。
計画は実現しなかったが、そのような都市のためには、自動車を金持ちのためではない、市民の足となる合理的な自動車が必要だと考えて自ら自動車をデザインした。道路や駐車場のスペース効率を高めるために車の大きさを2分の1にする。しかし最小限の大きさでも室内空間は最大限のスペースを確保する。というコンセプトで「マキシマムカー」と名付けた。人間の寸法を基準にして建築を設計する「モデュロール」の考え方を自動車にも応用したわけだ。
(写真:「クルビュジェが愛したクルマ」より)
コルビュジェはこのデザインを自動車メーカーに売り込むが成功しなかった。しかし戦後に登場した名車シトロエン2CVは形もコンセプトもそっくりで、コルビュジェの影響を受けた車だと言われている。