たまたま見たこのコメディ映画というかパロディ映画、作品としてはたいしたことはないが、選挙シーズンの今、現実と重なってけっこう面白く笑えた。
死んだはずのヒトラーが突然今の世に現れるのだが、そっくりさんか、ものまねタレントだろうと思われ、TVのワイドショーの人気者にさせられてしまうというお話。
番組の中で、格差の問題や難民流入の問題などに憤り、既成政党がそれらに対応できていないことに怒る。人種差別の必要性も主張し、国民よ立ち上がれと演説する。昔のヒトラーと何も変わっていないのだが、これがけっこうウケてしまう。
現状への人々の不満を利用して大衆扇動をする現実の政治を思い出させることがこの映画のねらいだろう。「アメリカファースト」のトランプ、「イギリス独立宣言」のジョンソン、独仏の極右政党、などが頭に浮かぶ。日本で今やられているネットを使って若者を動員し人気投票的に票を集めようとする選挙運動も同類だろう。
最後に彼の言う「私が大衆を扇動したのではない。大衆が私を選んだのだ。」というせりふが、ポピュリズムと言われる今の時代を痛烈に皮肉っている。
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