2025年2月2日日曜日

映画と A I

Butalist 

今年のアカデミー賞の最有力候補にノミネートされている「ブルータリスト」が、日本では今月(2月)公開されるようだ。面白そうなのでぜひ観ようと思う。

それは別にして、この映画で A I が使われていることが問題になっている。制作スタッフが自らそのことを認めているという。主人公のハンガリー人が話すハンガリー語の発音を完璧なものにするために、音声生成 A I を利用した。もうひとつは主人公の建築家が描く建築図面を画像生成 A I を使ってもっともらしく描いたという。

2023 年にハリウッドの俳優と脚本家の労働組合が大規模なストライキを行ったが、そのときの争点が映画でのA I 技術の利用の是非だった。最終的に組合はA I 技術から労働者を守る規定を勝ち取った。それだけにこれが大問題になっている。

A I を愛用している最大の利用者は役人だといわれている。頭で考えることを A I におまかせしてすむ仕事だからだが、役人と正反対のクリエィティビティが命の映画でそれは困る。ストの時の組合の主張は、A I によって人間が失業する「脅威」を訴えていたが、むしろ A I に頼ることで人間の頭脳の考える力が「退化」してしまうことのほうが恐ろしい。そうなれば映画は何の魅力もないものなってしまう。


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