「 The Cat and the Devil」
大昔、子供が小さい頃に買った「猫と悪魔」という絵本が出てきてびっくりした。こんな本があったことはすっかり忘れていたが、著者がジェームス・ジョイスだったということにまたびっくりした。 20 世紀文学に革命を起こしたジョイスが絵本を書いていたとは今では忘れていたが、当時は「ユリシーズ」を読んでいたので、その関係でこの絵本を買ったのだろう。この本は旧仮名遣いで訳文が書かれている。例えば「いつでも川を渡れるやう、橋をかけてあげませう」などで、訳者の円谷才一が正しい日本語で書くためだと後書きで主張している。他にも幼児向け絵本でありながら、漢字をそのまま使っていたりして、文学者である円谷才一のこだわりが詰まっている。
挿絵がジェラルド・ローズという、たくさんの有名絵本の絵を手がけた絵本画家の第一人者だ。
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