2024年5月6日月曜日

イギリスの水彩画

 History of Watercolor

今でこそ、イギリスは水彩画の本家のようにいわれているが、歴史的にはそうでなかった。17 世紀当時の世界一の絵画先進国はフェルメールに代表されるオランダで、イギリスは遅れていた。グリーナウェイ監督の映画「英国式庭園殺人事件」でそれがうかがえる。


17 世紀のイギリスで、新興の金持ちが絵画を求め始めるが彼らは、きらびやかな油彩画ではなく、現実の自然を題材にした素朴な絵を好んだ。そして自らの邸宅や庭園を画家たちに描かせたが、それらの絵はこの映画のように、小さいサイズの、鉛筆画の風景スケッチだった。(「英国の水彩画」による)

この映画に出てくるような絵画は、当時の風景画としては普通で、ほとんど鉛筆やペンによる素描で、色彩は一部に塗られているだけだった。当時の有名な水彩画家フランシス・プレイスは、横長の画面に広い地平線をを表し、川や小道を遠近法でとらえて、広々とした空間を描いている。しかしほとんどが線描が主体で、一部だけが淡彩の水彩で彩色されているだけだ。(「水彩画の歴史」による)


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