2024年3月8日金曜日

光の描き方

 「Color  &  Light」

絵の楽しさはなんといっても「光」を描くことだが、とかく「色」と「形」だけにしか意識が向かないことが多い。「カラー&ライト」( J・ガーニー著)という本はさまざまな「光」の種類と、その描き方を教えてくれる貴重な本だ。その中からいくつかを紹介。(画像はすべて著者自身の作品)


「直射日光」と「曇天の光」。二つはもっとも基本的な太陽光で、明暗のコントラストや色の鮮やかさの違いが分かる。


「反射光」 晴れの日は特に周囲からの反射光に影響されやすい。建物の屋根の部分で、上向きの面は青空の反射を受けて青色になっていて、下向きの面は地面の反射で黄色になっている。

「街灯と夜景」 月明かりの青色と店の明かりの暖色が魅力的な対比を作っている。


「エッジライト」 背後に太陽などの強い光源がある場合、手前にある物の輪郭が明るく光る。ここでは羊の背中にハイライトができている。羊の影から太陽が正面の真上にあることが分かる。

「木漏れ日」 木の葉の間を通過した日光は、大小の円や楕円のスポットライトを地上に投げかける。屋根や壁に木漏れ日が映っている。


「ゴルデンアワーの光」 夜明けや夕暮れに、太陽が地上を照らす時、あたりは鮮やかでドラマチックな色で染まるが、これを「ゴールデンアワーの光」という(写真用語からきている)。この絵で墓石が金色に輝いている。空は上空の青みがかったグレーから明るい黄色へ変化し、地平線近くではオレンジに変化している。

「カラーコロナ」 極めて明るい光源の周囲には鮮やかな光の輪が生まれるが、これは「カラーコロナ」と呼ばれる。この日没の絵で、太陽の光が雲や地面を金色に染めている。遠景の青色の山も太陽の近くが黄色に染まっている。


「光芒とシャドウビーム」 曇天の日、雲の合間に太陽が垣間見えていて、そこから放射状の光が射し込んでいる(この写真では見えにくいが)。滅多に見られない現象だが絵にするとドラマチックな効果がある。




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