「Blackhawk Down」
現在の中東の戦争で、イスラエルはテロ組織を殲滅するためだとして、民間人までも殺戮をしている。そのイスラエルをアメリカは支援をしている。アメリカはこれまで、「ユダヤ・キリスト教対イスラム過激派」という宗教的な対立軸を煽って、イスラム国に対して強硬手段に訴えてきた。そのきっかけが 9. 11 のテロで、アメリカ政府はテロ組織の撲滅という名目で、イラクなど中東に戦争を仕掛けてきた。今回もその延長線上にある。
9. 11 テロは、映画にも大きな影響を与える。 9. 11 後、アメリカ政府は「対テロ戦争」キャンペーンに協力するようにハリウッドの映画業界に要請する。それを受けて、アメリカ映画協会は、政府に協力する。「イスラムのテロは文明に対する攻撃であり、対テロは悪に対する戦いである。」というメッセージを映画によって国内外に伝えるべし、という取り決めをする。(木谷佳楠「アメリカ映画とキリスト教」による)
その趣旨にぴったり合致したのが「ブラックホーク・ダウン」(2001 年)という映画だった。イスラム国であるソマリアで、アメリカ兵がテロによって残虐に殺されてしまうのだが、アメリカ軍が攻撃を加え、テロリストたちを殺す。そしてヘリで帰還しようとするが逆に攻撃され、ヘリが撃墜されてしまう。取り残された兵士たちは勇敢に戦い・・・
この映画は、9. 11 の直後に公開されたので、アメリカが中東に報復攻撃することの正当性を裏ずける格好の材料になった。そして、アメリカ国民の愛国心を高揚させ、イスラムに対して団結して戦おう、という効果的なプロパガンダになった。だからアメリカ政府はこの映画を後押しして、大ヒット作となった。
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