Rembrandt Lighting
レンブラントの人物画は、暗闇の人物に真横から光を当てて、顔の一部だけに当たるハイライトを浮かび上がらせるが、これは「レンブラントライト」と呼ばれる。最高傑作の「夜警」はそれを群像画に使っている。この絵では、中央の二人の市警団の男と、その横にいる少女の3人にライトが当たっている。
この照明方法は、たびたび映画撮影のライティング技術として使われ、「レンブラント・ライティング」と呼ばれる。ミステリアスな雰囲気を醸し出すシーンなどでよく使われる。
ゴダール監督の「パッション」という映画は、映画を撮影するところを映画にするメタ映画で、主人公の映画監督が「夜警」の活人画を撮っている。(「活人画」は名画の場面を生きた俳優が絵のとうりそっくりに演じること)
監督は、絵のとうりの「レンブラント・ライティング」を再現しようとするが、なかなか絵の通りにならず、いらいらして何度もダメ出しする。だんだん監督と俳優の関係がギクシャクしていって・・・といった人間模様が絡むストーリーになっている。絵画に造詣の深いゴダールは、古典的名画にオマージュを捧げながらも、絵画と映画の違いを浮かび上がらせるすることが主眼で、人間模様の話はつけたしのように思える。
0 件のコメント:
コメントを投稿