Edward Hopper
ホッパーには、見知らぬ女性が一人だけポツンといるのを盗み見るように描いた絵がたくさんある。いずれも公共の場所なのだが、まわりには誰もいず、「女ひとり」を描いている。彼女たちは無表情で、何かの物語性を感じさせるようには描かれていないが、観る人はいろいろなことを想像してしまう。そこに共通しているのは、ニューヨークという大都会に暮らす女性たちの孤独や憂愁だ。
「オートマット」 深夜営業の簡易食堂で、女性は物思いにふけりながら、じっとコーヒーカップを見つめている。昼間の仕事を終えてホッとしているのか、憂いの気分なのか。
「カフェテリアの日差し」 朝日が差し込む明るいカフェテリア。女性の表情に朝の元気さはなく、むしろ倦怠感を感じる。
「ホテルの窓」 夜のホテルのロビーで、着飾った中年女性が窓から暗い通りを眺めている。まだ来ない待ち人を待っているのだろうか、
「ホテルのロビー」 ホテルのロビーの女性を上から覗き見のように見下ろしている。ホッパーは、このように女性の脚を強調して描くことが多い。
「ニューヨークのオフィス」 オフィスの女性を道路の反対側から窓越しに見ている。社員も通行人もいない。ニューヨークの喧騒はなく、まるで無人の街のようだ。
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