Information management society in the movie「Brazil」
政府のコロナ対応で、助成金の申請データを、役所が改めて手書きで書き直していたというマンガのような話があった。役所の I T 化の遅れが明るみに出て、あわててデジタル庁を作ったりしている。
映画「未来世紀ブラジル」で、国による情報管理が徹底されている未来社会が皮肉たっぷりに描かれている。普通は暗いディストピア映画になるテーマだが、それをパロディ化している。テリー・ギリアム監督の腕が冴えている傑作だ。
デジタル庁ならぬ「情報省」が絶大な権力を持っていて、国民全員のデータを一元的に管理している。情報省は非人間的な組織で、国民の行動を監視し、”情報警察” が違反者を取り締まっている。しかしそれは、お役所仕事の見本のような組織で、その ”マヌケ” ぶりを徹底的に笑い物にしている。
街じゅうに情報省のポスターが貼ってある。「幸せを! 我々はみなさんの味方です」
役所の窓口へ来た市民を、ロボットカメラがしつこく付きまとって本人確認をする。
役所の情報端末がレトロで、キーボードはタイプライターのように旧式で、モニターは小さい画面をフレンネルレンズで拡大している。
退庁しようとしている上司を、職員たちが、サインしてくれと言って、書類を持って追いかけている。ペーパーレスも「脱ハンコ」もいっさい無し。
工場のラインのように職員がずらっと並んで人海戦術で情報入力をしている。アナログ感たっぷり。
情報セキュリティが甘く、夜中に職員が情報を持ち出してしまう。見つかって、情報警察の警官に取り囲まれている。
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