2020年12月29日火曜日

驚異の「光」と「質感」の表現

James Toogood 「Incredible Light & Texture」 

James Toogood という水彩画家の絵がすごい。変わった名前の人だが、文字通り too good のうますぎだ。水彩で描いているが、光と質感の表現が驚異的にうまい。' 6 0 年代から ' 7 0 年代にかけて流行ったハイパー・リアリズムの流れを汲んでいるが、当時のように無機質ではなく、情感がこもった絵だ。画集「Incredible Light & Texture」から紹介。


カリフォルニアあたりの風景だろうか、真昼のまぶしいくらいの強い日差しを描いている。建物の陰の部分が隣の建物からの反射光で明るい。光の強さを感じさせる表現が見事。


日没前の空の明るさと、店の電気の明るさがちょうど均衡している。昼から夜へ切り替わるわずかな時間の微妙な光を描いている。


剥げかけた壁、たるんだテント、古ぼけたコンクリートの歩道、などの質感が年季の入った古ぼけた商店の雰囲気を出している。


濡れた歩道が美しい雨の夕景。制作プロセスが紹介されているが、特に変わったテクニックを使っているわけではなく、オーソドックスな水彩画の描き方をしている。




0 件のコメント:

コメントを投稿