Velazquez 「Kitchen Scene with Christ in the House of Martha and Mary」
ベラスケスの「マルタとマリアの家のキリスト」が、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に来ている(まだ見ていないが)。これは「寓意画」なので意味を読み解く必要がある。女性が料理をしているが、後ろの壁に額に入った絵が飾られている。いわゆる「画中画」だが、これは聖書の中の一節を描いたもので、キリストがマルタとマリアの家を訪れた時に、二人の姉妹がもてなすシーンだ。この絵が重要な意味を持っている。
ベラスケスの絵で、若い女性が料理をしている後ろで老女が何か話しかけているが、指は絵の方を指している。つまり絵を教訓にして、相手を思いながら心を込めて料理をしなさいと諭しているのだろう。それで若い女性は緊張して、表情がこわばっている。
手前のテーブルに魚があり、女性が作っているのが魚料理であることが重要な点だ。ギリシャ語で、「イエス、キリスト、神の、子、救い主」という言葉の頭文字をつなげると、「魚」という文字になることから、魚はキリストのアイコンとされ、古来から宗教画によく魚が登場した。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」のテーブルの料理も拡大すると魚料理であることが分かるという。
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