2020年5月26日火曜日

”死んだ都市”の絵(その4)エリック・デマジェール

Erik Desmazieres

前回のトリニャックと同じく現代フランスの版画家エリック・デマジェールも、死んだ都市をたくさん描いている。しかしトリニャックのリアルと違って、こちらはファンタジック。この「人住まぬ場所」は崩れた都市の幻想風景だ。


「北米の都市」という題名。古代建築風の壊れた塔が林立しているが、廃墟になったニューヨークの摩天楼の光景だろう。文明批評的な意味を込めた、没落した都市のイメージだ。

題名は「バベルの塔」。ブリューゲルのバベルは田園の中にあったが、こちらは大都市の高層ビルの真ん中にある。ぐにゃぐにゃに曲がった建物が折重なっている。迷宮のような都市が描かれている。現代的な解釈のバベルだ。


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