「Infection & Civilization」
「感染症と文明」という本を読んでいるが、感染症と人類との闘いの歴史を描いている。定住農耕社会の始まりとともに感染症が生まれ、メソポタミアなどの古代文明で感染症は猛威を振るうようになる。「コロンブス交換」によって持ち込まれた感染症でインカ帝国が滅亡。アフリカを植民地にした帝国主義時代に感染症研究が発達。・・・などなど
今のコロナを理解するのに参考になりそうなことも出てくる。報道では、新型コロナは子供に感染しにくいというが、逆に「はしか」は子供の病気というイメージがある。その違いはなぜかの種明かしをしている。
「はしか」も元々は大人がかかっていたという。病原菌と違って、細胞のないウィルス(だから生物ではないといわれている)は人間の細胞にヤドカリのようにくっついていないと生きていられない。「はしか」が大人にまず流行したのは、行動範囲が広く人数の多い大人の方がくっつきやすいからにすぎず、大人のほとんどに免疫ができてしまえば、あとは子供にくっつくしかない。それで「はしか」が子供の病気になった。そうなった段階で、社会全体への壊滅的な被害の脅威がなくなり、「普通の病気」になる。今の「新型」は生まれたばかりなので、その段階になるまでまだ時間がかかるということだろう。
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