2019年11月23日土曜日

埴輪「見返り犬」の犬らしさ

5th century's dog-shaped Haniwa

5世紀頃の埴輪だが、飼い主の声に振り返ったポーズで犬の可愛さを100% 表現している。これ以上なく犬を単純化したすごい造形力のこの彫刻家(?)に会ってみたくなる。

人間と犬の関係について書いた「ヒト、犬に会う」という本に面白い実験の話が出てくる。ヒモを引くと食べ物が出てくる仕掛けで、オオカミと犬に食べ物を取ることを覚えさせる。その後でヒモを引いても食べ物が出ないように変えて、再度やらせる。するとオオカミはすぐあきらめるが、犬は「エッ、どうして?」と実験者の方を振り返るという。この「人間を振り返る」という人間に似たコミュニケーション行動がオオカミとの決定的な違いで、犬が家畜化した原因だという。

この埴輪はまさに、人間の方へ振り返った最も犬らしい瞬間を形にしている。

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