「Inglorious Basters」
この間タランティーノが来日した時、 TV のインタビューを受けていたが、とどまることなく喋り続ける冗舌な人だ。彼の映画も冗舌で、ストーリーにあまり関係ないセリフを延々と俳優に喋らせる。それは無意味に見えて、実はよく計算されている。タランティーノ作品の中で「イングロリアス・バスターズ」が No.1 だと思うが、ここでも「無駄なおしゃべり」が効果抜群で、タランティーノ流映画術が冴えている。
ドイツ占領下のフランスで、ナチの将校がフランス人の家に突然やってくる。将校がにこやかな顔で世間話を延々としゃべり続ける。「ネズミとリスは同じ齧歯類に属していて、シッポの形が違うだけで、ほとんど同じですよね。でもネズミは嫌われ、リスは愛される。」と微妙なことも言ったりする。聞いている主人の顔はこわばっているので、観客はこれから何かが起こることを予感するが、それが何なのかは知らされない。このシーケンスの 20 分間くらいの間、将校のおしゃべりのおかげで、観客はずっと緊張感を持続させられる。最後に将校が「話は以上です。おじゃましました。」と立ち上がった瞬間・・・
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