The western scientific gaze and popular imaginary in Edo
江戸時代「のぞき眼鏡」という、絵を見せるための光学機器が大人気だった。この絵でその仕組みがよく分かるが、下に置いた絵をミラーに写し、その像をレンズを通して覗く。すると小さな絵が視覚いっぱいに広がるから、本当の風景を見ているようなリアル感が得られる。
司馬江漢などは、この装置用の専用の絵を描くようになる。拡大して見られるために、肉筆の絵や木版画では粗さが目立ってしまうので、銅版画風の緻密な絵が描かれた。
のぞき眼鏡と同じ原理で、複数の人が同時に絵を見ることができる「のぞきからくり」と呼ばれる装置もでき、浅草などで見世物に使われた。この絵の右上に、これで見ることのできる絵のサンプルが描かれているが、遠近法による風景画だ。風景が本物のように浮き上がってくるような迫真性をもたらすために遠近法が必要だった。こういう絵が、大衆が世界を見る見方に革命を起こし、浮世絵などにも影響を与えていった。
(タイモン・スクリーチ著「大江戸視覚革命」より)
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