都美術館の「クリムト展」は大人気で、入場するのが大変のようなので、同時開催中の国立新美術館の「ウィーン モダン クリムトとエゴン・シーレ 世紀末への道」展の方を観た。こちらの方は、クリムトだけに限らず、ウィーン分離派が起こした芸術の革命運動の全体像をつかむことができるのでおすすめだ。
これらの展覧会に合わせて、ミニシアターなどで公開されている映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」もクリムトに関心のあるむきには大おすすめ。
邦題は明るい繁栄の時代をイメージさせるが、原題の「Klimt & Schiele Eros and Psyche」の方が内容に沿っている。19 世紀末、旧来の価値基準が崩れてしまった混沌とした時代に、フロイトなどの、性(Eros)と精神分析(Psyche)の考え方が出現する。そういう雰囲気の中で、分離派の運動は、今までの芸術をぶち壊そうとする。そういう視点で見ると、クリムトやエゴン・シーレの絵画がよく理解できる。
このドキュメンタリー映画は、そういう芸術と、その底流にある時代の変化を立体的に解説してくれている。
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