Higashiyama Kaei
東山魁夷は終生市川市に在住していたので、現在その地に「市川市東山魁夷記念館」という美術館がある。以前同じ市内に住んでいたので、時々ここへ行った。今やっている東山魁夷展(国立進美術館)の看板作品が「道」だが、記念館ではその習作(左)があった。本作(右)と色が少し違うが、構図はほとんど同じ。
一直線の道だけを描いた単純この上ない絵。道は途中で切れていて、遠くまで見えていない。道を延長すると、消失点は彼方の山の稜線あたりになるので、これは上り坂なのだろう。一点透視の絵は消失点へ向かって見る人の視線を吸い寄せる求心力があるので、この道をどこまでも歩いて行きたくなる。そして習作と比べて気がついたが、本作の方は、道の先端が明るくなっていて、求心力をさらに強めている。
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