久しぶりに箱根のポーラ美術館へ行ってルドン展を見た。チラシが2種類あり、それぞれ若い頃と熟年の頃の代表作が使われている。「黒の時代」と言われる木炭による幻想的な絵と、後のパステルによる華やかな絵とが対照的。なぜまるで別人のように変わってしまったのか、不思議に思っていたが、今回その謎が解けたような気がした。
怪奇な夢の世界を描いた「黒い絵」は近代的合理主義に対する挑戦状だった。やがてその考えが理解され、絵が売れるようになり、「挑戦状」の意味がなくなっていく。また生活が安定し気持ちが平和になっていく。柔らかいパステル画へ移行していったのはそんな理由だったという。人間は歳をとると丸くなるというが、分かる気がする。
森に溶け込んだガラス張りのポーラ美術館。レストランの「ルドンメニュー」。
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