中学生の時、学校から川崎製鉄の工場を見学に行ったことがあった。説明の人が、煙が白いのは排出ガスの浄化が完全だからですと言っていたのを今でも覚えている。まだ環境問題など騒がれていない時代で、製鉄が日本をひっぱる先端産業だったことのあらわれだと思う。それから60年後の今、「産業の米」は鉄から半導体に移り、製鉄は産業の主役でなくなった。この工場はもと日本鋼管だが、生き残りのために、その川崎製鉄と合併して JFE という会社になった。今の銀ピカの半導体工場などと違って、こういう煙を出して黒ずんだ昔ながらの工場は数少なくなった。威容を誇ってはいるが遺されたもの感の強い工場の遺跡的なイメージを描いてみた。
"Remains" Pastel, Primed with pumice on board, 100cm × 80cm
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