オリジナルの「ブレードランナー」は、人類が終わった後の絶望的なディストピア世界と、それは科学技術の進歩がもたらした結果だ、という世界観を初めて提示した偉大な SF 映画だった。しかしその後、類似作がたくさん作られて普通になってしまった。だから今回、元祖ブレードランナーとしてはさらにその先を行く何かがあるかもという期待もしたが、実際の「2049」はまさに続編で、前作の枠からは出ていない。
酸性雨でどんよりした空気にかすむ建物、ビルが丸ごと捨てられているゴミ捨て場、子供たちが働かされている地下工場、などダークな世界のビジュアル表現はやはりすごい。
パトカーのデザインがシド・ミード的な形なので、今回も彼がビジュアルを担当したのか興味があったが、クレジットでは「Special thanks:Syd Mead 」だけだったので間接的な関わりだったのかもしれない。