The shape of the Sony Building
回顧展を見たついでに最後の見納めでもう一度ソニービルを東急プラザから見下ろしたが、このビルの形について「銀座建築探訪」という本に面白いいきさつが書いてある。
銀座の交差点に面した敷地はコーナーを 45° にカットされている。これは「隅欠き」と呼ばれるそうで、明治時代に馬車が角を曲がりやすくするために始まったという。4丁目交差点の「三越」は敷地の形どおり45°にカットした建物にして敷地を100% 無駄なく使っているが、これが普通。
しかし「ソニービル」はひねくれていて「隅欠き」の部分を建物には使わずイベント用の空き地にしている。この3角形の土地の10坪ほどの面積掛ける8階分の延べ床面積が減ることになり、銀座の地価を考えると大変な損になる。設計者の芦原義信さんがこれを提案したら当時副社長の盛田さんが即決で OKしたそうだ。
エレベータで最上階へ登ってから階段で降りてくる構造は、盛田さんが「グッケンハイム美術館のように」と会議で言ったとき皆キョトンとしていたが芦原さんだけはピンときてすぐにあの構造のスケッチを描いて見せたという。設計者とクライアントのいい関係を感じる。
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