2015年8月24日月曜日

閑人の ☆☆☆☆☆ 映画           「図書館」が舞台の映画

映画もろもろのコーナーです。今回は「図書館」が重要な役割をしている映画に着目してみました。図書館は誰もが自由に本を読める場所、というのは当たり前のようで、別の時代 には必ずしもそうではなかったのです。2つとも大おすすめ作です。


「アレクサンドリア」(2009年、スペイン)
ローマ時代に実在した図書館の史実にもとずいた物語。世界中から研究者が集まり、数学や天文学などの高度な研究をしていた。だが神の教えだけが唯一絶対とするキリスト教徒にとっては、誰もが新しい知識を自由に得ることができる図書館は許せない存在でした。暴徒たちは図書館を襲撃して破壊し、研究者たちを虐殺する。「学問は神への冒涜だ!」と叫びながら研究者を殺し、学問も殺してしまったのです。ガリレオの地動説弾圧はもとより、21世紀の現代でもダーウィンの進化論を否定するなど、キリスト教のおおもとにある反知性主義の源流を知ることができる映画です。

 手に手に十字架をかかげて「神は唯一なり!」
と  叫びながら図書館を襲撃する暴徒たち

↑  映画予告編
                                                              
「薔薇の名前」(1986年、仏 • 伊 • 独 合作)
ショーン • コネリー主演のミステリー映画。中世の修道院のなかにある図書館が舞台で、その蔵書が殺人事件の謎解きの鍵になっています。巨大な城のような図書館に古今東西の本が集められていて、時代別、地域別に分類されて各部屋に収蔵されている。だがそれは迷路のように複雑に配置されていて、そこに入ると方向感覚を失うような建築構造になっている。それは人に見られないように本を隠す場所としての図書館なのです。様々な知識が 広まると、キリストの教えだけが絶対ではないことを知られてしまうことを恐れたのです。侵入した部外者は殺害され二度と出られない恐ろしい迷宮としての図書館が描かれています。
 迷路のように複雑な図書館内部
 閉じ込められて必死で出口を探す主人公

↑  映画予告編









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