2014年12月7日日曜日

「ホイッスラー展」を見ました


「ホイッスラー展」を見ました。
(横浜美術館、2014 . 12/6 〜 2015 . 3/1)
  展覧会公式サイト: http://www.jm-whistler.jp/


彼の時代は、19世紀なので、まだ絵画が物語やメッセージを伝えるためのメディアだった頃です。それに対して、ホイッスラーは、絵から「ストーリー性」をなくし、「形」と「色」で画面を「構成」することで、純粋に視覚に訴える絵画に挑戦しました。そのため、空間に奥行きのない平面的な「グラフィック的」な絵になっていくのです。彼のめざしたこのような方向性は、日本の浮世絵と合い通じていたため、そこからおおきな影響を受けるわけです。

残念ながら今回の展覧会には来ていませんでしたが、一番の代表作「灰色と黒のアレンジメントNo.1:画家の母」は、彼の特徴がもっともよく表れている作品だと思います。絵をもとに、イラストレーターでこの構図を描いてみました。人物を除いた背景が、このようにいろいろな大きさの長方形の組み合わせで「構成」されていることが分かります。色についても、題名から分かるように、写実の色ではなく、あくまでも「色彩構成」をするための色です。これらは20世紀の抽象絵画の元祖モンドリアンと同じことをすでに始めていたということになります。


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