ワイエスは絵の中に窓を描くことがとても多い。室内から見た窓、屋外から見た窓などさまざまだが、その中から窓が主役になっているものを選んだ。上の絵は遠くに海が見えていて、室内にはそれと呼応するように貝が置かれている。中の絵は窓を通して反対側の窓も見えていて、さらにその先遠くに海が見えているというユニークな構成。その両者の間に室内の様子がかすかに見える。下の絵は窓から吹いてくる心地よい風と、外に見える静かな風景。これらの絵に共通しているのは、風景を窓を通して描くことで、風景を見ている人間自身を感じさせられることだと思う。
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